Introduction | Q | NODA・MAP 第23回公演

NODA・MAP 第23回公演Q 〜A Night At The Kabuki〜

Inspired by A Night At The Opera 作・演出:野田秀樹 音楽:QUEEEN

野田地図/NODA・MAP

Introduction

イントロダクション

『Q』とは、クイーンのQである。あの伝説のそして最近、盛り上がったばかりの「ボヘミアン・ラプソディー」のクイーンだ。実は、その盛り上がりが起こる二年ほど前、「クイーンの周辺」から、こんな話が私の所に舞い込んできた。それは、ボヘミアン・ラプソディーを含むクイーンのアルバム「オペラ座の夜」の演劇性を、本当に「演劇」として広げられないものか、それをクイーンが好きな日本の劇作家、演出家ヒデキにお願いできないかというものだった。「棚からボタモチ」「カホウは寝て待て」「四十年地道に芝居やれ、いいことあるぞ」なのである。私は半信半疑ながら半身半着の汗だくでワークショップを重ねて、私なりに「オペラ座の夜」から得たインスピレイションを文字に起こして「クイーンの周辺」にお届けしたところ、何と本当に「クイーン」から「OK、やってくれ」という返事が来た。というわけで『Q』はクイーンのQだが、話は「ボヘミアン・ラプソディー」のようなクイーンの実話では全くない。どちらかと言えば「ロミオとジュリエット」の後日談である。そして「歌舞伎の夜」という副題も、勢いでつけただけで、芝居は全然カブキじゃない。でもカブイてはいるかな?という代物、こんな感じで始まります。「時は、12世紀の末、ところは日本、世は侍の時代の始まり…」そして、あのクイーンの名曲が聞こえてきます。野田秀樹

謎が謎を呼ぶ“4人のロミジュリ”、NODA・MAPに降臨!!

今回、野田が描くのは、ズバリ“禁断の恋”。ベースとなるのは、ウィリアム・シェイクスピア不朽の名作、『ロミオとジュリエット』である。対立する間柄にも関わらず、恋に落ち、密かに結婚したモンタギュー家の一人息子ロミオと、キャピュレット家の一人娘ジュリエット。動乱の時代のなか、ジュリエットはロミオと添い遂げるべく、仮死の毒で偽装自殺を図る。しかし、ジュリエットが本当に死んだと勘違いしたロミオは、彼女の墓の前で服毒し、自ら命を絶ってしまう。ほどなく仮死状態から目覚めたジュリエットは嘆き悲しみ、遂にはロミオの短剣を手に、彼の後を追ってしまうのであった――。

だが……もし、悲恋のロミオとジュリエットが、本当は生きていたとしたら??

そう、何と『Q』には“2人のロミオ”と“2人のジュリエット”が登場する。それは広く語り継がれてきたロミオとジュリエットと、“その後のロミオとジュリエット”なのだ!!過去にも野田はドストエフスキー『罪と罰』や、坂口安吾『桜の森の満開の下』、『夜長姫と耳男』を下敷きに、大胆不敵な剽窃(=remix)を加え、全く新しい戯曲を披露してきた。だが、この『Q』は、すでにその遥か上の上を行く、シェイクスピアも真っ青の予測不可能な物語となる様相を呈している。

しかも、謎に満ちた野田の企みに引き寄せられるかの如く、前代未聞のキャストが集結する。

“4人のロミジュリ”を演じるのは、松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳。まさに誰も予想し得なかった、今をときめく4名の顔合わせが実現する!!さらには、橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、竹中直人、そして野田秀樹と、世代もキャリアも異なる総勢10名の豪華俳優陣が一堂に会する!!このうち、上川、広瀬、志尊、橋本、伊勢、竹中の6名がNODA・MAP初参加。特に、広瀬は本作が舞台初挑戦となるのだから絶対に見逃せない。

演劇、オペラ、バレエ、映画、音楽、ミュージカルと、古今東西、400年以上ものあいだ、様々なアプローチで描かれてきた『ロミオとジュリエット』。それを、敢えて、この2019年に持ち出す以上、無論、一筋縄でいく物語のはずはない。

『Q』というワードが意味するものとは……?そう、『Q』は、あの世界的ロックバンド、クイーン(QUEEN)!!

フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ジョン・ディーコン、ロジャー・テイラーの4人から成るクイーンは、1973年にイギリスでデビュー。革新的なアレンジと画期的なライブパフォーマンスで、世界中で絶大な支持を獲得してきた。フレディは惜しくも1991年にこの世を去ったが、以降もブライアンとロジャーは、クイーンの活動を今日も継続中である。

半世紀前、まだ世界的な評価を受ける以前から、いち早く、しかも熱狂的に自分たちを受け入れてくれた国として、クイーンのメンバーは日本に特別な思い入れがある。そんな彼らが、それまでの音楽シーンには皆無だった画期的なスタイルで創作したのが、名曲「ボヘミアン・ラプソディ」を含む4thアルバム『オペラ座の夜』(1975年。原題:A Night At The Opera)だった。このアルバムが、彼らのキャリアにおいてエポックメイキングな一枚となったことは、もはや世界中の音楽ファンが知るところである。

「クイーンが愛する日本で、彼らの名盤『オペラ座の夜』の世界観を舞台にできないか?」というオファーを野田が受け、構想すること2年……。野田秀樹は、『オペラ座の夜』に着想を得て、創作ワークショップを重ねてきた。すると、そこから生み出された世界観にクイーンのメンバーが大きな感銘を受け、自らにとっても大切な一枚である『オペラ座の夜』全楽曲の使用を快諾。NODA・MAPの『Q』 は、クイーン“公認”の新たな、しかも画期的な作品として、いままさに生まれようとしているのだ。

野田秀樹meetsクイーン!!常に新たな題材に挑み続けてきた野田が、世界的ロックバンドの珠玉の名盤に挑む。果たして、両者の出会いは、どのような化学反応を起こすのか?!

――令和元年10月。謎が謎を呼ぶ“4人のロミジュリ”が、クイーンが、NODA・MAPに降臨する。演劇史に新たな1ページを刻むNODA・MAPの『Q』に、是非ともご期待下さい!!

ブライアン・メイより

ブライアン・メイ コメント(日本語)

ブライアン・メイ コメント(英語)