野田秀樹 メッセージ

そして伝説は更新され続ける 日本三都市、さらにフランス・パリへ。2018年、NODA・MAPが咲かせる狂乱の桜とは!?『贋作 桜の森の満開の下』 —— あの“伝説の舞台”が甦る

遡ること1989年。かねてより自身を「安吾の生まれ変わり」と公言してはばからなかった野田は、敬愛する作家・坂口安吾の「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」を主な下敷きとして、そこに幾つもの安吾作品のエッセンスを散りばめるという大胆な剽窃(=remix)によって、野田にしか描くことのできない壮大な戯曲を書き下ろした。それが『贋作 桜の森の満開の下』の誕生だ。
当時、“劇団 夢の遊眠社”によって初演されると、溢れんばかりの才気で描かれた刺激的な作風で、瞬く間に多くの演劇ファンの心を奪った。本作は1989年の初演以降、1992年(劇団夢の遊眠社公演)、2001年(新国立劇場主催公演)と再演を重ね、さらに昨2017年には、八月納涼歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』として歌舞伎に生まれ変わってきた。野田作品の中でも常に上演を熱望する声が最も高い、まさしく金字塔と言える作品である。

その『贋作 桜の森の満開の下』が、ついに満を持して、初めてNODA・MAP公演として甦る。
野田は、演劇界最強の日本代表メンバーと共に、今までにない『贋作 桜の森の満開の下』を生み出し、日本だけにとどまらず、海外の観客をも桜の狂乱に惹きこむべく、さらなる高みを目指し、挑む決意である。

恐ろしいまでに妖しく、息を呑むほどに美しく。鮮やかなまでの満開の桜の下で幻想と狂気が咲き乱れる。
NODA・MAP『贋作 桜の森の満開の下』。是非ご期待下さい!!