松本潤、長澤まさみ、永山瑛太。もはや説明不要の3人が舞台初競演。
松本潤は野田が20年前に出会ってから、数多くのワークショップに参加して来た。まさに満を持してのNODA・MAP初登場。自身も実に13年ぶりの舞台出演となる。そして、『THE
BEE』(21年)で暴力に屈していく様を儚くも美しく演じ観客を魅了した長澤まさみ。さらに、『MIWA』(13年)『逆鱗』(16年)で清冽で鮮烈なインパクトを残し、近年も表現するたびに新鮮で目覚ましい活躍を見せる永山瑛太。野田が「この作品のために生まれてきた3人」と賞する座組だ。おのずとこの組み合わせに期待せずにはいられない。
この3人を中心に野田はどんな物語を描くのか…?
物語の発射台は、『カラマーゾフの兄弟』。19世紀ロシア文学を代表するドストエフスキーの最高傑作を入口に、野田は「日本のとある場所のとある時代の花火師の家族」、つまり「
唐松族
の兄弟」の新しい物語を創り上げた。
この芝居は、父殺しという“事件”を扱ったサスペンス。
舞台は、日本のとある時代。物語はある花火師一家の三兄弟を軸に展開する。
三兄弟は、長男が花火師。次男が物理学者。三男は聖職者である。
この長男と父親が、一人の“女”を巡る三角関係を織り成し、“父親殺し”へと発展する……
『カラマーゾフの兄弟』の設定を入口に、「唐松族の兄弟」を演じるのが、松本・長澤・永山の3人だ。松本が長男の花火師を、永山が次男の物理学者を、長澤が三男(!)の聖職者を演じ、この三兄弟の父親を竹中直人が演じる。いつもの如く、お客さまの観劇当日の新鮮さのために、NODA・MAPの新作公演は幕が開くまで物語の全貌が明かされない。とはいえ、『松本は心が荒廃した花火師、長澤は性格的にも真反対の“男役”と“女役”の二役を演じ分け、永山は神をも恐れぬ不敵なインテリと、3人いずれも新鮮な役どころである。』という断片的なインフォメーションが明かされている。
松本・長澤・永山の3人に加えて、村岡希美、池谷のぶえ、小松和重、竹中直人という日本のエンタテインメント界に欠かせない強者たちが勢揃い。いずれも近年のNODA・MAP作品で圧倒的な存在感を放ってきた4名による、まさに盤石のキャスティングだ。加えて、毎回、何役を演じるのか注目が集まる野田秀樹も舞台に立つ。さらに、ここにNODA・MAPを語る上で欠かせない変幻自在な17名の精鋭アンサンブルキャストが合流。総勢25名のキャストがめくるめく野田ワールドを展開する。
この芝居そのものが、演劇界の“事件”とも言えるこのドリームキャストが起こす化学反応は必見だ。