写真:鈴木余位
2008年度より造形表現学部映像演劇学科の教授に就任します。
ここ数十年の日本の芝居というのを、眺めてみると、小劇場運動というコトバをよく耳にする。
けれども、実はその日本の小劇場運動というものは、学生劇団を無視しては語ることのできないものだ。
日本の大学に生まれる学生劇団は、大学の中の授業とは違ったところから生まれている。
これは世界的にも珍しいことだ。「だから日本の芝居は質が低いのだ」と、腐すのは簡単だ。
「でも待てよ。だから日本では、演劇を学ぶシステムとは別なところから芝居が生まれているのかもしれないじゃないか」ふと、そう思った。
学生劇団でも作るつもりで、大学の演劇科に関わってみたらどうなるのだろう。
一念発起した。そういう意図であるから、大学の授業という名前ではあるが、授業をやるというよりは、
芝居を実際に創っていく現場にしたい。
野田秀樹
多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科