野田秀樹の代表作「半神」が、'99年春、新たに蘇る!
番外公演「Right Eye」で、<ノンフィクション演劇>と銘打ち、話題を呼んだNODA・MAPの次回公演が、早くも決定いたしました。
自身の右目失明という実体験をベースに、新たな劇世界を創り上げた「Right Eye」に続く上演作は、86年、少女漫画界の大御所・萩尾望都の短編漫画「半神」をもとに、萩尾氏と共同で戯曲化・舞台化し、高い評価と人気を得た劇団時代の代表作です。
初演以来、88年、90年と再演を重ね、90年夏には、エディンバラ国際演劇祭にも参加。国際的に通じる野田ワールドの普遍性を示した作品となりました。
物語は、腰のところでつながっているシャム双生児を中心に展開します。
◆ものがたり◆
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醜いが高い知能をもつ姉シュラと、美しいが頭が弱い妹マリア。ふたりは、半身を共有しながら、時に反発し、時に依存しあいながら存在してきた。
しかし、負担の大きさから双方ともに衰弱し、十歳を目前にして死の危険に直面する。救う方法はひとつ。分離手術によって、どちらか片方を生き延びさせる方法だけだった。手術の成功で生き残ったのは、シュラなのか、マリアなのか・・・
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演劇と少女漫画というそれぞれのフィールドで、独自の境地を切り拓いてきた第一人者同士の共同作業は、時空間を自在に操り、深遠なテーマを大きなスケールで描き出す作風とともに、初演当時、大きな話題を集めました。
劇団解散から早くも7年。ワークショップをベースとした執筆と創作活動を続け、作品ごとに<アンサンブル>の充実度を高めてきた野田が、初演より12年の時を経て、劇団時代のこの名作にどのような生命を吹き込み、蘇らせるのか。そのキャスティングも注目必至です。
シュラとマリアのシャム双生児姉妹には、97年度公演「キル」で、舞台女優としての確かな実力を示し、鮮烈な印象を残した深津絵里、そして、98年度公演「ローリング・ストーン」で初舞台、本作品でこの大役に抜擢された加藤貴子の二人が挑みます。
この二人を囲む顔ぶれには、6作目の野田作品登場となる鷲尾真知子、「虎?野田秀樹の国性爺合戦」以来2度目の野田作品となる「劇団☆新感線」右近健一、98年度公演「ローリング・ストーン」にも出演した水谷誠伺らに、蜷川演出作品の舞台や映画・テレビでも活躍中の勝村政信、CMでもお馴染みとなった山崎一、パワフルな個性派女優・山下裕子、Bunkamura10周年記念公演「夏の夜の夢」への出演などで注目される佐々木蔵之介、「双数姉妹」からは明星真由美、佐藤拓之のふたりなどの6名の野田作品初出演組が加わり、ベテランや若手を含めた最強のメンバーが勢揃いしました。
この公演は、遊眠社解散後、初めて劇団時代の作品を上演する興味も含め、99年上半期の話題作となることは、間違いありません。