驚異のキャスト陣が挑む物語の舞台は、白いマットの四角いジャングル!野田秀樹が張り巡らした"ロープ"の中で、いよいよ待望のゴングが鳴り響く!!
9.11同時多発テロからイラク戦争勃発・・・と世界情勢とシンクロするかのごとく発表され、人々に戦慄を与えた『オイル』から3年・・・・・。野田秀樹が、NODA・MAP本公演としては久々の新作『ロープ』を発表いたします。
ところは、四角いジャングル、プロレスリング。
そのリングの下に棲みついている女。
彼女は、未来からやってきたと信じている。そして、不可解なほどに実況中継が上手かった。リングの上には、「プロレスは決して八百長ではない」と思いつめている独りのレスラーがいる。思いつめたあまり、引きこもっている。その二人の出会いが、物語のはじまり。
やがて彼女は、戦う人間たちの「力」を実況し始める。
その一方で、引きこもりのレスラーは、
「力とは人間を死体に変えることのできる能力だ」という信念にとりつかれていく。
そして、物語は遠い遠い未来へと向かっていく。
だのに、この話は、決してサイエンスフィクションではありません。未来の話なのにSFではない物語。
これまでの新作上演の常で、ストーリー展開や設定の詳細は、"未来の話なのにSFではない物語" ということ以外、何も明かされないまま、劇場に足を踏み入れていただくことになりそうです。
しかし、野田が仕掛けようとしている巧妙で細やかなワザは、このキャスティングにも見え隠れしています。
宮沢 りえ、藤原 竜也、渡辺 えり子、宇梶 剛士をはじめとして、実力や存在感の強烈さはもちろんのこと、それぞれがもつキャラクターが、この新作を構成する重要なアイコンやキーワードなのでは?と想像力を刺激されるメンバーが勢ぞろいしました。
そして、近年の野田作品では、期せずして、その物語の中に、時代や世相、世界情勢をも予測していたかのようなテーマが埋め込まれ、観客を震撼させてきました。
今回の新作『ロープ』でも、"白いマットの四角いジャングル"に、どんなコマンドが隠されているのでしょうか・・・・。その全貌が明かされるのは、開幕のゴングが鳴り響くときです!