新世紀の訪れと共に、野田秀樹の新作が早くも登場!
多彩なキャスト陣が魅力の2000年第1弾も見逃せない。
野田地図第8回公演「カノン」
ミレニアムの最後を、自身の戯曲「パンドラの鐘」での蜷川幸雄氏との<演出対決>で、話題をさらった野田秀樹。
この二人の演劇人の手により生み出された二つの劇空間は、「演出」の威力とその面白さを再認識させ、同時に今後の野田戯曲への新たな期待感を刺激した、と言うことができます。
その「パンドラの鐘」の幕を下ろしたばかりの野田秀樹が、早くも新作「カノン」を発表します。
残念ながら、現時点では、その内容は明らかにはできませんが、野田本人から唯一出されているヒントは、久々の「時代劇」になる、ということ。他の手がかりは、毎回驚かされる、その豪華で多彩な出演者の顔ぶれです。
まずは、96年「TABOO」以来のNODA・MAP出演となる唐沢寿明。99年も三谷幸喜作品「温水夫妻」、ミュージカル「Big」等のタイプの異なる舞台で、その実力を発揮。東宝製作の野田演出作を含め、本作で4度目の野田との顔合わせとなります。
そして、三谷作品「厳流島」(96年)で、映像以上にキュートで溌溂とした魅力を印象づけた鈴木京香。野田のワークショップにも参加経験のある彼女が、どのような弾け方を見せてくれるかが楽しみです。
前シアターコクーン芸術監督で、野田と個人的にも親交が深い演出家・俳優の串田和美が、初めて野田作品に登場するのも演劇ファンには興味津々。役者同士としても、野田とは初共演となります。
TVドラマやCMで活躍中の岡田義徳が、初舞台の「いつわりとクロワッサン」(99年)に続く二度目の舞台出演。NHK朝の連続ドラマ「天うらら」(98年)のヒロイン・須藤理彩は、本作が初舞台。このフレッシュな二人が、その若さを武器に野田ワールドに挑みます。
また、的確な演技力と個性が魅力の広岡由里子、「キル」(97年)以来2度目の野田作品となる手塚とおる、吉本興行所属のお笑いコンビ・雨上がり決死隊(宮迫博之、蛍原徹)、青年座の成長株・小林正寛、「パンドラの鐘」に続いての登板・春海四方、オンシアター自由劇場解散後、活躍の場を拡げる大森博、等々、今回も多彩・豪華・新鮮な出演者が勢揃いしました。
この顔ぶれで、どのような<野田風時代劇>が完成するのか。あれこれ想像しながら、新しい年の訪れと2000年第1弾の開幕をお待ちいただきたいと思います。
野田秀樹の新作「カノン」に、是非ご期待ください。