前年12月NODA・MAP番外公演として上演された二人芝居「し」は、
我々にとっては、これまでのシアターコクーン・クラスの劇場を脱し、自由劇場という小空間の中で、
二人の役者が、どこまでその緊張感を観客と共有できるのか、その空間を自由自在に使いこなし、
小空間なりのダイナミズムをつくりだせるのか、という挑戦とも言うべき企画でした。
その「し」が結果的に、小空間だからこその制約の中、
観客の想像力をも巻き込んだ濃密な別世界へと転化させたステージとなり、
熱狂的に受け入れられたことは、我々にとっても新たな芝居づくりへの足がかりとなりました。
そして、番外公演第2弾「赤 鬼」の上演
この企画は、野田を含めた4人の俳優のみで演じられるもので、
即興性の面白さを十分に加味した新しい芝居づくりを目指したものです。
今後もNODA・MAPでは、プロセニアムアーチの劇場だけでなく、
いろいろな空間での芝居づくりにもシリーズとして挑戦していく予定です。